ハイブリッド蓄電池とは?
仕組みやメリット・デメリットを解説!【住宅】
災害対策や節電対策の一環として、蓄電池を導入する住宅が増えています。また、蓄電池を導入することで、太陽光発電で作り出した電気を最大限に活用することも可能です。
そして蓄電池の中でも、太陽光発電と相性がいいのが「ハイブリッド蓄電池」です。
この記事では、ハイブリッド蓄電池の仕組みや導入する際のメリット・デメリットについて解説するので、ぜひご参考になさってください。
- ●本記事では、「マルチ入力型ハイブリッド蓄電システム」を「ハイブリッド蓄電池」、「単機能型蓄電システム」を「単機能型蓄電池」と表記しています。
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【製品情報リンク】
マルチ入力型ハイブリッド蓄電システムEnerezza Plus(エネレッツァプラス)
単機能型蓄電システム Enerezza(エネレッツァ)
【目次】
・ハイブリッド蓄電池のメリット
・ハイブリッド蓄電池のデメリット
・太陽光発電と蓄電池を併用するならEnerezza Plus(エネレッツァプラス)がおすすめ!
・ハイブリッド蓄電池を初期費用0円で導入するならハウスマイルe!
ハイブリッド蓄電池とは
ハイブリッド蓄電池とは、1台のパワーコンディショナ(以下「パワコン」と表記)で『蓄電池』と『太陽光発電』の両方を制御できる製品のことです。
ハイブリッド蓄電池の特徴についてしっかり理解できるよう、パワコンの役割や蓄電池そのものの仕組み、ハイブリッド蓄電池と単機能型蓄電池にどのような違いがあるのか、順を追って見ていきましょう。
パワコンの役割
パワコンとは、直流電力を交流電力に変換する機器のことです。
| 直流(DC) | 常に一方通行、電流・電圧が変化しない |
| 交流(AC) | 電流・電圧が周期的に変化する |
電力会社から送られてくる電気は交流です。プラグをどのような向きでコンセントに挿しても使用できるのは、電流・電圧が周期的に変化しているためです。
一方、太陽光発電で作り出される電気は直流です。そのため、家庭で使用するためには、パワコンで交流に変換しなければなりません。
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蓄電池の仕組み
続いて蓄電池の仕組みについて解説します。
家庭で使用されている蓄電池は、主にリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は次の図のように、正極(プラス極)・負極(マイナス極)・ 電解液・セパレータで構成されています。
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蓄電池の電気を使うことを「放電」といいます。負極からリチウムイオンが放出されて正極に移動し、その一方で電子が負極から正極に回路を通って移動していることが特徴です。
一方、蓄電池に電気をためることを「充電」といいます。電流を流して負極へ電子を取り込ませ、正極側にあったリチウムイオンを負極へ移動させていることが特徴です。
ここでポイントとなるのが、蓄電池にためられるのは、常に電流の方向が一定で電流・電圧が変化しない直流電気のみということです。そのため、蓄電池にためた電気を家庭で使うためにも、パワコンが必要となります。
つまり、太陽光発電と蓄電池の両方を使用する場合、「太陽光発電用のパワコン」と、「蓄電池用のパワコン」の2つを設置しなければなりません。
太陽光発電で生み出した直流電力を、太陽光発電用のパワコンで交流に変換し、家庭で使用しているとします。この場合、発電した電気の一部を充電するためには、蓄電池用のパワコンで再び交流から直流へ変換しなければなりません。
また、ためた電気を使用する際も、蓄電池に充電した直流を、蓄電池用のパワコンで交流に変換する必要があります。
これが一般的な蓄電池(単機能型蓄電池)の仕組みです。
ハイブリッド蓄電池と単機能型蓄電池の違い
それではハイブリッド蓄電池と単機能型蓄電池には、どのような違いがあるのでしょうか。
一般的な家庭用蓄電池(単機能型)は先述のとおり、蓄電池専用のパワコンがなければ充電・放電ができません。太陽光発電にもパワコンが必要ですから、併用する場合は合計2台のパワコンを設置することになります。
一方、ハイブリッド蓄電池に使われているパワコンは、1台で太陽光発電と蓄電池に対応できることが特徴です。太陽光発電で作り出した電気は直流のまま蓄電池へ充電し、放電して使用するときに交流へ変換します。
ハイブリッド蓄電池のメリット
パワコンが1台あれば太陽光発電にも充電・放電にも対応できるハイブリッド蓄電池には、さまざまなメリットがあります。
- 電力変換ロスを減らせる
- 設置スペース・設置費用を抑えやすい
- 停電時に使える出力が大きい
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
電力変換ロスを減らせる
直流から交流、交流から直流へ電気の性質を変えると、その度に変換ロスが発生します。太陽光発電で作った電気を単機能型蓄電池に充電してから使用する場合、合計3回も変換する必要があるため、多くのロスが発生してしまうのです。
一方、ハイブリッド蓄電池は太陽光発電で作り出した電気を直流のまま充電し、放電して使用するときに交流へ変換するため、変換ロスは1回で済みます。
設置スペース・設置費用を抑えやすい
太陽光発電と単機能型蓄電池を併用する場合はパワコンが2台必要ですが、ハイブリッド蓄電池との併用ならパワコンは1台のみです。
そのため、蓄電池と太陽光発電を同時に設置する場合、ハイブリッド型のほうが設置スペースや設置にかかる費用を抑えやすいというメリットもあります。
停電時に使える出力が大きい
ハイブリッド蓄電池のほうが、単機能型蓄電池と比べて停電時に使える出力が大きいこともポイントです。
太陽光発電と蓄電池を併用している家庭では、停電時も電気が使えることは多くの方がご存知でしょう。しかし実は、停電時に電気を使うためには、パワコンを電力会社の系統連系から切り離す「自立運転」というモードに切り替える必要があります。
自立運転モードに切り替えた場合、太陽光発電側のパワコン出力は1.5kW程度までに制限され、それに伴い単機能型蓄電池の出力上限も多くの場合、1.5kW程度になります。
ハイブリッド蓄電池は、単機能型よりも出力が大きいケースが多いです。5kW程度の出力を維持できる製品も多く、これは大きなメリットといえます。
なお、停電時に電気を使える範囲については、家庭用蓄電池が「全負荷対応型」なのか「特定負荷対応型」なのかによって異なります。
全負荷対応型は、停電時でもすべての部屋で電気を使える蓄電池です。家中の電気をバックアップできることはメリットですが、消費する電力量が多いため、蓄電池の残量が減りやすい点には注意しなければなりません。
特定負荷対応型は、事前に指定した特定回路のコンセントのみを使用できる蓄電池です。家中の電気をバックアップできるわけではありませんが、優先すべき電気回路、たとえば冷蔵庫用の電源などに限定して使用するため、電池残量が全負荷対応型と比べると減りにくい点はメリットといえます。
- 自立運転の電源を使用する際、生命に関わる機器は絶対に接続しないでください。
ハイブリッド蓄電池のデメリット
さて、ここまでハイブリッド蓄電池のメリットについて紹介してきましたが、デメリットについても正しく知っておきましょう。
- 蓄電池単体の価格は単機能型よりも高い
- ハイブリッド蓄電池のみを後付けする場合はパワコン交換が必要
それぞれ詳しく紹介します。
蓄電池単体の価格は単機能型よりも高い
ハイブリッド蓄電池は高性能であるため、蓄電池単体の価格は単機能型より高い傾向にあります。この製品価格をデメリットに感じる方もいるかもしれません。
ただし、停電時の利便性などを考えると、費用をかけてハイブリッド蓄電池を導入する価値は十分にあるといえるでしょう。
ハイブリッド蓄電池のみを後付けする場合はパワコン交換が必要

すでに太陽光発電だけを導入している住宅が、ハイブリッド蓄電池のみを後付けする場合、既存の太陽光発電用のパワコンを取り外す必要があります。
費用を払って取り付けた既存のパワコンを廃棄するとなると、もったいないと感じる方もいるでしょう。
そのため、ハイブリッド蓄電池のみを後付けする場合は、パワコンの寿命に合わせて導入するのもおすすめです。太陽光パネルそのものの寿命は20年〜30年ですが、パワコンの寿命は10年超といわれています。パワコンの交換タイミングに合わせてハイブリッド蓄電池を導入すれば、経済的負担を最小限に抑えられるでしょう。
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太陽光発電と蓄電池を併用するならEnerezza Plus(エネレッツァプラス)がおすすめ!
ここまで紹介してきたとおり、ハイブリッド蓄電池には数多くのメリットがあります。とくに太陽光発電と蓄電池を併用するなら、ぜひハイブリッド蓄電池をお選びください。
京セラでは、マルチ入力型ハイブリッド蓄電システム Enerezza Plus(エネレッツァプラス) をラインナップしております。
一般的なハイブリッド蓄電池の場合、太陽光発電ができない夜間や悪天候時に蓄電池の充電残量がなくなると、電気が使えなくなることがあります。
一般的なハイブリッド蓄電池(ハイブリッド型パワコン)
それに対してEnerezza Plusは、停電時にさまざまな外部電源やエネファーム(燃料電池)の電力を宅内に供給できることが特徴です。時間帯や天候によって太陽光発電で電気を作れない場合や、蓄電池残量がなくなってしまった場合でも電気を使うことができます。
Enerezza Plus
太陽電池モジュールや蓄電池に加え、車載コンセント・ポータブル蓄電池・発電機などさまざまな外部電源とつなげることができるため、万が一の停電時でも安心です。
さらに、Enerezza Plusなら、停電時には燃料電池を最大出力まで稼働させることも可能です。
一般的な蓄電池の場合、停電時専用のコンセントがあれば燃料電池を使うことはできますが、ほとんどの場合は実際に消費する分だけしか発電できず、一度電源が落ちてしまうと再起動できません。
一般的な蓄電池
一方、Enerezza Plusは京セラの独自技術により、燃料電池で余った電気も蓄電池にためられるため、停電時でも燃料電池の発電量を最大限に活用できるのです。
Enerezza Plus
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また、太陽光発電で発煙した電気を自家消費したい方に最適な「グリーンモード」や、積極的に売電したい方に最適な「売電モード」など、暮らしに合わせて多様なモードを選べることもEnerezza Plusならではの特徴です。
グリーンモードでの電気使用イメージ
売電モードでの電気使用イメージ
ハイブリッド蓄電池を初期費用0円で導入するならハウスマイルe!
太陽光発電とハイブリッド蓄電池を導入したいものの、高額な初期費用をネックに感じている方もいるかもしれません。
そのような方は、ぜひ京セラのエネルギーシステム定額サービス 「ハウスマイルe」 の活用をご検討ください。
「ハウスマイルe」 は太陽光発電システム・蓄電システムを0円で設置できるサービスで、新築住宅だけではなく、既存住宅でもご利用いただけます(太陽光発電と蓄電池を両方とも新設する場合の初期費用が0円。すでに太陽光が設置されている住宅に蓄電池のみを後付けすることは、ハウスマイルeのサービス内では不可)。
太陽光発電の容量は2〜4kW・4〜6.5kW・6.5kW以上の3パターン、蓄電システムの容量も5.5kWh・11.0kWh・16.5kWhの3パターン選べるため、それぞれのご家庭のライフスタイルに応じたプランニングが可能です。
初期費用負担を抑えて太陽光発電・ハイブリッド蓄電池を導入したい方は、ぜひ一度お問い合わせください。
- ●「HOUSmile(ロゴ)」「エネレッツァ」「Enerezza」「Enerezza(ロゴ)」は京セラ株式会社の登録商標です。
- ●「エネファーム」は、東京ガス株式会社・大阪ガス株式会社・ENEOS株式会社の登録商標です。
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