セラミック製品は、硬くて耐熱性、耐食性、電気絶縁性などに優れており、陶磁器や耐火物、ガラス、セメント、ファインセラミックスなどがその代表的なものです。
特にファインセラミックスは、以上の性質に加え、さらに、機械的、電気的、電子的、光学的、化学的、生化学的に優れた性質、高度な機能を持っています。今日では半導体や自動車、情報通信、産業機械、医療などさまざまな分野で活躍しています。
陶磁器などのオールドセラミックスとファインセラミックスの違いは、主に原料とその製造法に起因します。
オールドセラミックスは陶石、長石、粘土など、天然の鉱物を用いて混合し、成形、焼成するといった方法でつくられます。
これに対しファインセラミックスは、高純度に精製した天然原料や、化学的プロセスにより合成した人工原料、天然には存在しない化合物などを使います。これらの原料を調合することによって、目的とする性質を持つ物質を得ることができるのです。また、調合された原料は、成形、焼成、研削など、精密に制御された複雑な工程を経て、高度な寸法精度、かつ高機能を備えた高付加価値製品となります。
各項目をクリックすると詳細をご覧になれます。
粘土や陶石などを原料として成形、焼成してつくられる製品で、原料の種類、焼成温度、吸水性などの違いにより、土器や陶器、磁器などに分類されます。
粘土を混練して成形し、低温(800℃前後)で焼いてつくった素焼き状の容器です。縄文式土器、弥生式土器、紀元前6000年の中近東出土品などがあります。現在は、赤褐色の植木鉢や赤レンガ、こんろ、濾水器などがあります。
土器より高温(1000~1250℃)で焼成されますが、吸水性があり、釉薬を施して使用される焼きものです。須恵器(すえき)、楽焼(らくやき)、Maiolica(マジョリカ)、Delftwareなどがあります。現在は、茶器や食器、花器、瓦など幅広く使われています。
純度の高い粘土(または陶石)に珪石、長石を混合、成形、焼成し、よく焼きしめた白色の焼きものです。色彩の豊かな釉薬が施されます。隋、唐といった中国朝廷時代(7、8世紀)に発展し、世界に広まりました。景徳鎮、有田焼、瀬戸焼などがあります。現在は、食器類や碍子、美術工芸品、外装タイルなど幅広く使われています。
高温で変質しにくい材料を成形、焼成してつくられます。製鉄用、製鋼用、ガラス溶融用などの炉の構築に使用されます。
珪石、石灰石、ソーダ灰などを加熱、溶融して成形した非晶質の固体です。
石灰石と珪石などを混合、焼成、石コウを加え粉砕した微粉です。水和すると石、砂を固着してコンクリートとなります。
ファインセラミックスは、「精選または合成された原料粉末を用いて、精密に調整された化学組成」と「十分に制御された製造プロセス」によってつくられた高精密なセラミックスということができます。従来に比べ高度な機能を持つことから、半導体、自動車、産業用機械などの幅広い分野で使われています。ファインセラミックスは、一時、ニューセラミックス、アドバンスドセラミックスとも呼ばれていました。
名付け親は京セラの創業者
名前の由来から定義までをご紹介します。
はじめての
ファインセラミックス
求められる機能に応えた素材
ファインセラミックスができるまでの原料の焼成プロセスを説明します。
はじめての
ファインセラミックス
1万数千年前に使用された縄文式土器がルーツ
原点は焼きもの。その歴史をご紹介します。
はじめての
ファインセラミックス
ファインセラミックスを楽しく知ろう!
4コママンガ