電気を通さない絶縁性があるファインセラミックスの両側に電極をとりつけて電圧をかけると、電気を蓄える誘電性を有します。
特にたくさんの電気をためこむことができる絶縁体を強誘電体といい、ファインセラミックスのなかにもそのような性質を示すものがあります。セラミックコンデンサは、この性質を利用した電子部品です。私たちの身近にあるパソコンやテレビ、スマートフォンなどの電化製品の中でたくさん使われています。電気回路の中で、回りの部品に必要な電気を通したり、一時的に流れを止めたり、同じ信号だけを通さないなど、電気の交通整理の役割を果たしています。
用途 : セラミックコンデンサ
電子は物質の分子の中を移動します。導体の中では、電子は自由に動くことができますが、絶縁体の中では自由に動くことができません。しかし、絶縁体に電圧をかけると、移動する電子も多少ありますが、分子にとどまるため、物質の両端に電荷があらわれ、プラスとマイナスに分離されます。また、イオン自体が移動する場合があります。このように、物質の両端に電荷があらわれる物質を誘電体(誘電性)といいます。
誘電性は、比誘電率(誘電率と真空の誘電率の比)などで表され、クオーツ(主成分:酸化ケイ素)が3.8で、サファイア(主成分:酸化アルミニウム)が9.4です。チタン酸バリウムは4,590.0と大きく、強誘電体と呼ばれます。
クオーツ(SiO2) | 3.8 |
---|---|
サファイア(Al2O3) | 9.4 |
チタン酸バリウム(BaTiO3) | 4,590.0 |