力を電気に変えたり、電気を力に変える圧電性をもつファインセラミックスを圧電セラミックスといいます。この圧電セラミックスはいろいろな製品に組み込まれています。たとえば台所で使われるガスコンロには、圧電セラミックスを叩いたときの力を電気に変えて、電気の火花を飛ばして着火させるものがあります。つまみを回したときの「カチッ」という音は圧電セラミックスを叩く音なのです。同様に電子ライターにもこのようなしくみを使ったものがあります。
用途 : ガスに火をつける圧電点火ユニット、ピエゾ素子
ピエゾとも呼ばれ、電気を力に変える性質のことで、その性質を持つ物質を圧電体といいます。圧電体は、その結晶に力、あるいは歪みを加えることにより、電荷を発生する正圧電効果と、逆に電荷を加えると力や歪みが発生する逆圧電効果を持っています。
圧電セラミックスは、多結晶体であり、チタン酸ジルコン酸鉛、一般的にPZTと呼ばれ、PはPb(鉛)、ZはZr (ジルコニウム)、TはTi (チタン)を指し、それらの酸化物からなります。その用途に応じた性能を得るために添加物などが加えられています。電気を加えるとファインセラミックスの形状に応じた振動を発生し、振動や衝撃を加えると電気を発生する極めてユニークな特徴を有しています。