もともと焼きものであるファインセラミックスは、硬い反面「もろい」という性質があります。
この「もろさ」は、破壊に対する抵抗力やねばり強さをさす靭性で示されます。ファインセラミックスの中でもジルコニアセラミックスは比較的高い靭性があり、刃物やはさみ、包丁などに利用されています。
表面や内部に亀裂を持つ材料(亀裂材)の破壊に対する抵抗力を示す一種の尺度が破壊靭性です。
ファインセラミックスの破壊靭性は破壊する時の亀裂先端での応力拡大係数KICで表されます。
特に、平面ひずみ条件下での亀裂が開く型の破壊靭性値KICが材料の比較に使用されます。ファインセラミックスは、一般に破壊靭性値が低い材料ですが、はさみや包丁などの刃物に使用されている部分安定化ジルコニアは、ファインセラミックスの中でも比較的高い靭性を有しています。
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