高い圧縮強度、耐食性、密度の小ささなど、深海用の耐圧容器としてファインセラミックスが真価を発揮します。
水深6,900m級に使用されるガラス製の耐圧容器に対して、容器の素材に窒化ケイ素を採用することにより、世界一深いといわれるマリアナ海溝の11,000m級の深海に、自己浮上型海底地震計の設置が可能となったのです。
写真提供:日本海洋事業株式会社
写真提供:海洋研究開発機構(JAMSTEC)
自己浮上型海底地震計とは、海底で地震を観測・記録する装置です。
観測終了後、本体のみを海面に浮かせ、船で回収したあと、地震データを解析します。
海底地震計の中には地震データの記録装置が高耐圧のガラス製容器に入れられたものもあります。より深い海底で計測するため、今後はより耐圧性の高いファインセラミック製容器のニーズが高まると考えられています。
※ファインセラミック製容器を使用したイメージ図
写真提供:海洋研究開発機構(JAMSTEC)
※グラフの値は参考値となります。
資料提供:海洋研究開発機構(JAMSTEC)
上のグラフはファインセラミックス(窒化ケイ素・アルミナ)と金属(高強度ステンレス・チタン合金)の比較です。ファインセラミックスは、金属より強度があり、密度も小さいことが確認できます。