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環境汚染防止の取り組み

環境リスクマネジメント

京セラグループ(日本国内)では、周辺環境の汚染を防止するため、大気に放出するガス、排出する水、発生する騒音や振動などに関して手順を定めて管理しています。また、放出するガスや排出する水は法・公的規制よりも厳しい「京セラグループ環境管理基準」を定めて管理しています。この基準をベースに拠点ごとにさらに厳しい自主管理基準を設定し、第三者計量証明機関による定期的な環境測定をして、基準の順守を確認しています。

図:京セラグループの環境管理基準
京セラグループの環境管理基準

環境コンプライアンス

2023年度、環境に関する法令・条例違反、行政指導などが5件、騒音の苦情が2件ありました。いずれも速やかに是正、対応を行っています。

法令・条例違反などの件数

  法令・条例違反、行政指導など 苦情など
水質 大気 廃棄物 その他
2023年度 1 0 0 4 2

ISO14001の統合認証を取得している国内グループ拠点、および一部の海外拠点

環境汚染防止対策

水質汚染防止の取り組み

工場内に降った雨を敷地外に排出する際、pHや懸濁物質などの規制対象物質を監視しています。水質に異常があった場合は、排出口を遮断して、雨水の流出を防止します。水質異常の雨水は排水処理場で処理するなどして、環境影響を無くしてから敷地外に排出しています。

画像:雨水監視装置
雨水監視装置

土壌・地下水汚染防止の取り組み

化学物質の移送配管や排水配管は原則、架空化して漏洩があった場合に直ちに発見できるようにしています。また、薬品や排水タンクは原則、周囲に防液堤を設置して、土壌への流出・浸透防止対策をしています。さらに定期的に地下水を測定して、敷地内で使用している有害物質等が地下浸透していないか、監視しています。

土壌・地下水に関する報告

京セラグループ(日本国内)では、土壌汚染対策法にもとづき、土壌調査を実施し、調査結果を関係自治体に報告しています。
その結果、2013年に千葉県旭市、2014年に北海道江別市、東京都八王子市、2015年に北海道三笠市、2019年に神奈川県川崎市、2022年に埼玉県比企郡の計6拠点が行政の区域指定を受けています。なお、周辺地域への拡散、影響は確認されていません。
今後も行政と連携しながら適切な対策を実施していきます。

化学物質の管理

化学物質の中には、環境汚染の原因となり、長期間にわたって蓄積されることで、人の健康や生態系に悪影響を及ぼすものもあります。このため、京セラグループでは、自主管理基準を定め、環境負荷の低減活動を行っています。

京セラグループ(日本国内)では、PRTR法で定められている第1種指定化学物質について、排出量、移動量の管理徹底を図っています。また、浮遊粒子状物質および光化学オキシダントの原因のひとつである揮発性有機化合物(VOC: Volatile Organic Compound) について、取扱量・排出量の管理を行っています。

VOC取扱量・排出量

2023年度の京セラグループ(日本国内)のVOC取扱量は、4,029t、VOC排出量は、392t、大気排出率は、9.7%でした。今後もVOCの排出抑制に努めます。

グラフ:VOC取扱量・排出量

一部拠点のデータ集計精度向上に伴い、2022年度データを更新しています。

VOCの集計対象物質は、電子情報技術産業協会(JEITA)が指定する20物質です。

環境負荷の全体像

京セラグループ(日本国内)では、事業活動と環境負荷の関わりを数値データとして把握し、管理を行っています。
資材調達、製造、流通、使用、廃棄・リサイクルの各段階のデータを施策の立案や成果の分析・評価に活用し、環境負荷の効果的な低減を図っています。

図:マテリアルバランス
  • 省エネ法にもとづく特定荷主(京セラ)の輸送に係るエネルギー使用状況などの報告データをもとに流通に関わる負荷を算出しています。
  • 2023年度に販売した主要製品(プリンタ、複合機、スマートフォンなど)の年間消費電力量を算出しています。
  • 2023年度に販売した主要製品(プリンタ、複合機、スマートフォンなど)の年間の温室効果ガス排出量を算出しています。
  • 2023年度にリユースされたトナーコンテナ重量と複合機、トナーコンテナ合計のリサイクル量を算出しています。(京セラドキュメントソリューションズ(株))
  • VOCの集計範囲は京セラ株式会社 国内拠点のデータを示しています。

INPUT項目

化学物質 PRTR法対象物質(第1種指定化学物質)の使用量
上水・工業用水・地下水の使用量
電気 電力会社からの購入電力量
燃料 エネルギーとして使用するガス・軽油・重油等の使用量(原油換算)

OUTPUT項目

温室効果ガス 電気・ガス・燃料の使用にともなって発生するCO2、およびPFC等(6種類)のガス排出量
NOx ガス・燃料などの燃焼にともなう窒素酸化物の負荷量
SOx 燃料の燃焼にともなう硫黄酸化物の負荷量
産業廃棄物 事業活動にともなって生じた産業廃棄物の排出量
排水 河川などへの排水量(下水道への排水を除く)
BOD 生物化学的酸素要求量の負荷量
COD 化学的酸素要求量の負荷量
化学物質 PRTR法対象物質(第1種指定化学物質)の排出・移動量
VOC VOC20物質の大気への排出量

緊急事態への対処

地域環境に影響を与える可能性がある事故や緊急事態を特定し、これらに対処する方法を定めた手順書や緊急備品を整備するとともに、対処や通報に関する訓練を毎年1回以上、実施しています。緊急事態訓練の実施により、対応手順をレビューし、見直ししていくことで継続的な改善につなげています。

図:緊急備品の取扱い教育
緊急備品の取扱い教育