労働安全
京セラグループ環境安全方針
京セラグループでは、経営理念を基本とし、「京セラグループ環境安全方針」を通じて、従業員が安全で安心して働ける職場環境づくりを進めています。
労働災害発生状況は、2010年度をピークに減少傾向にありましたが、2020年度を境に増加傾向にあります。
災害発生の主要因、取り組むべき課題として、未習熟者に対する安全配慮(教育・訓練)の不足や、作業に潜在しているリスクの抽出不足が見られます。
そのため、リスクアセスメント実施体制の構築、リスク抽出・改善活動の強化を図ると共に、未習熟者に対する教育体制再構築の検討や、新しい形の危険体感教育などを実施してきました。
また、中長期的には全員参加で安全管理活動を行うことで、相互啓発が出来る職場=安全文化が醸成された職場・オペレーショナルエクセレンスを目指していきます。
京セラグループ環境安全方針
京セラは創業以来、敬天愛人の社是のもと、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類社会の進歩発展に貢献することを経営理念とし、環境安全に関する法令、当社の同意した事項および自主基準を遵守するとともに、これまで培ってきた技術やノウハウを生かし、様々なステークホルダーとのコミュニケーション、社会貢献活動への参画、支援を通じ社会課題の解決に向けた挑戦を続けてまいります。
従業員の安全確保・健康増進
- 全従業員が安全で安心して働ける職場の実現に向けて、事業活動に関わる全ての人が、全員参加で活動を行う企業風土をつくります。
- リスクアセスメントを実施し、危険源の除去および労働安全衛生リスクを低減することにより、事故災害の防止をはかります。
- 心身の健康増進をはかり、従業員が健康で働きがいを感じ、能力を最大限発揮できる労働環境をつくります。
持続可能な社会への貢献
- 地球環境の改善に貢献する商品や、製品のライフサイクルを通して環境負荷を低減した商品の研究・開発および普及・拡大をはかります。
- バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量を抑制し、脱炭素社会の実現に貢献します。
- 資源をより効率的に使用することで、循環型社会の実現に貢献します。
- すべての工程における化学物質の適正管理により、環境汚染の防止に努めます。
- 自然環境への負荷を極小化し、守り育てることにより、生物多様性保全を促進します。
環境安全マネジメントシステムの運用
- 事業活動にあたり、マネジメントシステムの運用を通じて、経営理念を基本とした環境安全に関する取り組みを積極的に推進し、環境安全パフォーマンスの継続的な改善を行います。
2023年4月1日
京セラ株式会社 代表取締役社長
谷本 秀夫
目標
京セラグループでは、労働災害の抑制、火災事故の発生ゼロについて目標を定めた「京セラグループ環境安全目標」を設定しています。
京セラグループ(日本国内)作業行動性災害度数率
2023年度目標 | 作業行動性災害度数率 目標:0.79 火災事故件数 目標:0件 |
---|---|
2023年度実績 | 作業行動性災害度数率:0.99 火災事故件数:6件 |
2024年度目標 | 作業行動性災害度数率 目標:0.66 火災事故件数 目標:0件 |
---|
労働安全の推進体制
京セラグループでは、労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)にもとづき、管理体制を構築し、労働安全衛生に関する取り組みを推進しています。
環境安全マネジメント体制
【個別認証】
2023年度総括
京セラグループ(日本国内)の災害度数率の推移
2023年度の京セラグループ(日本国内)の休業災害度数率は、全製造業および電気機械器具製造業の平均を下回る0.49でした。対策を強化するため労働災害を分析し、作業行動性災害(休業・不休含む)に重点を置いて対策を取った結果、度数率は0.99(目標0.79)となりました。火災事故については6件(目標0件)となりました。また、各国において発生した災害については、原因調査を行い、危険源の排除などの安全対策を実施しています。
今後も、安全で安心して働ける職場環境づくりを目指し、労働災害の低減に向けた取り組みを推進していきます。
休業災害度数率
全製造業・電気機械器具製造業の休業度数率は厚生労働省のデータを使用。
休業災害度数率・被災者人数/百万時間(休業日数は、厚生労働省の基準に従う)
厚生労働省の度数率は、年度データを使用。(休業1日以上)
京セラおよび京セラグループ(日本国内)の休業度数率は、年度データを使用。(休業1日以上)
派遣社員・アルバイトは除く
京セラグループ(日本国内)業務上疾病度数率
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|---|
業務上疾病度数率 | 0.07 | 0.21 | 0.22 | 0.22 | 0.26 |
業務上疾病については、日本労働基準法施行規則別表第一の二に該当するもの全てを対象に算出(物理的因子、作業態様に起因、化学物質による負傷などを含んでいます。)
主な取り組み事例
リスクアセスメント・特別巡視の実施
日本国内では、事故災害を防止するため、各拠点でリスクアセスメントトレーナーおよびリスクアセッサーを選任し、リスクアセスメントを展開しています。リスクアセスメントトレーナーやリスクアセッサーは、実習や研修でリスクアセスメントに必要な基礎知識やスキルを習得した上で、リスクアセスメントを実施し、適切なリスク抽出・評価により危険性を把握した上で対策を実施し、災害の未然防止に繋がるリスクアセスメントを実施しています。
前年度は従来の取り組みに加え、重大リスクの抽出漏れ、管理策の有効性評価を目的にクループ内で特別巡視を実施し、重大リスクへの対応・改善活動を徹底しました。
今後も改善を重ね、効果的なリスク抽出方法の確立やリスクアセスメントトレーナーやリスクアセッサーの力量向上を図り、災害防止に有効なリスクアセスメントを実施していきます。
リスクアセスメントの概要
リスクアセスメント力量向上
日本国内では、リスクアセッサーによるリスクアセスメントを展開しています。2021年度より、より効果的なリスクの抽出が行えるよう外部専門機関による機械安全の考え方、効果的なリスクアセスメントの実施について研修を実施しリスクアセッサーの力量向上に努めてきました。 今後も実施方法・内容を見直し、継続的に実施していくことで、リスクアセスメントトレーナーやリスクアセッサーの力量向上を図り、災害防止に有効なリスクアセスメントを実施していきます。
研修テキスト:日本認証株式会社 危険源の特定及びリスクアセスメント力量向上教育研修テキストより引用
バーチャルリアリティ(VR)を用いた危険体感教育の実施
京セラでは、VRを利用した危険体感教育を実施しています。作業経験の浅い従業員が危険を疑似体感することで作業に潜む怖さを体感し、危険感受性の向上を図るとともに、安全行動を意識することによる労働災害の抑止に努めています。今後もコンテンツの充実化を図り、さらなる危険感受性の向上に努めていきます。
緊急事態対策訓練の実施
京セラでは火災など緊急事態の発生に備え、毎年1回消火訓練を実施しています。
化学物質および騒音暴露への対応
製造工程で取り扱う化学物質による作業者への暴露リスクを低減するための取り組みとして、手動移送方式からエアードポンプによる自動供給方式へ変更を行っています。また、騒音暴露を防止するため、耳栓など保護具の着用を義務付けています。
定期的な環境安全巡視の実施
京セラでは工場長・事業所長や法定管理者が随時、職場巡視を行っていますが、それに加えて、全社環境安全担当役員も定期的に環境安全視察を実施し、職場内のリスクや課題共有を行うとともに、従業員の安全意識向上を図っています。
構内安全作業説明会の開催
京セラグループでは、各拠点に作業や工事などで入構されるお取引先様の事故防止を目的に、定期的に構内安全作業説明会を実施しています。説明会では、構内での安全作業ルールや各種化学物質の取り扱い、事故防止のための活動について説明し、京セラの工事担当者とお取引先様の相互で安全防災への意識を再確認しています。今後も、継続的に説明会を実施し、構内におけるお取引先様の事故防止に努めていきます。
労使の協力に基づいた安全衛生対策の推進
京セラグループでは、事業所の安全衛生管理活動を円滑かつ、確実に実施することを目的に、1回以上/月の頻度で会社と労働組合が協力して従業員の安全・衛生等に関する協議を行う場として、安全衛生委員会を開催しています。委員会では、危険及び健康障害の防止、労災報告と対策、健康診断や安全衛生教育計画などについて議論を行っています。
京セラパーフェクト5S推進活動
京セラグループでは、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)は仕事をするうえでの基本となることから、完璧な5Sを目指した「京セラパーフェクト5S推進活動」をグローバルに展開しています。各職場では、全社共通のチェックリストを用いて定期的に5S達成度を評価し、5S管理の徹底を図っています。この活動では改善すべき点を各職場の課題としてとらえ、全員参加で改善を行っています。なお評価は、5S教育を受講して活動の目的と効果を理解した方が公平かつ公正な評価を行うことで、より客観的な視点で判断できるようにしています。これらの活動により安全で安心して働ける職場環境づくりと社員一人ひとりの5Sに対する意識改革と感性アップを目指しています。