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サプライチェーン管理

京セラグループは、お取引先様との公正、透明な取引を遂行するために、購買活動における基本方針を定めるとともに、お取引先様と一体となって、公正な事業活動の実現に努めています。

購買活動に関する方針

京セラグループは、サプライチェーンにおける公正な事業活動の実現に取り組むことで、経営理念である「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」の実現を目指しています。また、開発、生産、販売、サービスなど、一連の事業プロセスに関わるすべての企業が協力して社会の要請に応えていくことでサプライチェーン全体の相互繁栄が実現できると考え、お取引先様と積極的なコミュニケーションを図ることで、相互信頼にもとづくパートナーシップの構築に注力しています。

なお、京セラは、サプライチェーンのお取引先様や価値創造を図る事業者様との連携‧共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築するため、2020年12月に「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。

パートナーシップ構築宣言

購買基本方針

京セラグループでは、購買業務を通して、価値創造や事業発展に貢献し、お取引先様との共生をはかることにより人格を磨き、社会の信頼を得ることを目指しています。購買活動を行うにあたってはこの考え方をベースとして「購買基本方針」を定め、会社概況やCSRに関する各種調査により、お取引先様の公正な評価・選定を行っています。

購買基本方針

資材部門の意義・目的

「調達業務を通して、価値創造、事業発展に貢献し、誠実に仕事を追求するとともに、取引先との共生を図ることにより、人格を磨き、社会の信頼を得る。」我々資材部門は感謝の心を常に持ち、謙虚に反省し、更に努力することにより、信頼される存在価値のある資材部門を目指しております。

サプライヤー選定方針

弊社は下記方針に基づき、お取引先様を選定いたしております。

  • 弊社の基本的な考え方をご理解いただけること。
  • 経営者ご自身の考え方や経営理念が納得できるものであること。
  • 経営力、技術力、製造力の向上をめざし、規模、財務面において適切で安定した経営状況であること。
  • 品質、価格、納期、サービス対応力など総合的に優れていること。
  • 地球環境保全活動に積極的であること。
  • 京セラグループ サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドラインを遵守いただけること。

京セラグループ サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン

京セラグループでは、責任ある鉱物調達をはじめとする人権の尊重、災害発生時の速やかな事業復旧・継続に関するBCP策定など、サプライチェーン全体で取り組まなければならないCSR課題に適切に対応するため、「京セラグループ サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」を定め、本ガイドラインに基づき、お取引先様のCSR活動に関する取り組み状況の調査を行っています。人権・労働、環境、安全衛生、公正取引・倫理、品質・安全性、事業継続計画(BCP)、情報セキュリティなどの各項目に関する調査を、毎年、海外のお取引先様含め実施しています。
京セラグループは、社会と京セラの双方が持続的に発展できるよう、サステナブル経営に取り組んでおり、「サステナブル経営における重要課題の選定プロセス」を経て、重要課題(マテリアリティ)のひとつとして「サプライチェーンマネジメント」を特定しています。
また、サプライチェーンのサステナビリティ活動を調査・評価し、是正を求めるCSR評価を実施し、特に、「京セラグループ人権方針」に則り、サプライチェーンの人権に対する取り組み状況を把握するため、人権デュー・ディリジェンスを実施しています。

画像:京セラグループ サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン
京セラグループ サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン

重要サプライヤーの特定

京セラグループでは、サプライヤーセミナーにご出席いただいたお取引先様をはじめ、当社にとって重要な原材料を供給いただいているお取引先様や、取引額の大きなお取引先様、代替不可能なお取引先様を中心にして、前年度の購入金額の上位80%を目安に重要なサプライヤーとして特定し、サプライチェーンCSR評価への回答をお願いしています。

サプライヤーセミナーの開催

京セラグループでは、お取引先様に京セラグループの経営方針や事業方針などをご理解いただき、さらなるパートナーシップを構築していくため、お取引先様をお招きしたサプライヤーセミナーを定期的に開催しています。2022年度は2月に開催し、202社、232名にご出席いただきました。また、1年間のお取引において品質・価格・納期などで特に優れたお取引先様を表彰させていただきました。

画像:サプライヤーセミナー
サプライヤーセミナー

ESG側面からのサプライチェーンCSR評価について

京セラグループのESG重要指標

京セラグループでは、いただいた回答内容を精査し、改善が進んでいないと判断した場合は、訪問して対策を協議するなど、対話を継続しています。お取引先様とは様々なコミュニケーション手法を用いて対話していますが、十分な理解を得られない、明確な改善の意志が見られない場合は、年1回、訪問による監査を実施しています。2022年度は、2社を訪問しました。

なお当社が特に重視しているESG項目は以下の通りです。

①労働 ②健康と安全 ③環境 ④倫理 ⑤紛争鉱物

特に下記の三つの項目においては、重大な違反があれば取引を停止しています。

遵守状況の確認

「京セラグループ サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」の要求項目に対して、京セラサプライチェーン調査票をお取引先様に送付し、遵守状況を確認しています。

調査対象

当社にとって重要な原材料を供給いただいているお取引先様や、取引額の大きなお取引先様、代替不可能なお取引先様を中心に、前年度の購入金額の上位80%を占めるお取引先様を重要なサプライヤーを調査対象としています。

評価項目・評価基準・評価結果

調査は、人権・労働、環境、安全衛生、公正取引・倫理、品質・安全性、事業継続計画(BCP)、情報セキュリティの項目を含み、評価結果は以下の通りです。

サプライヤーの
タイプ
全サプライヤー数 重要なサプライヤー数 過去3年間に評価した
重要なサプライヤー数
過去3年間に評価した
サプライヤーの比率
目標(2022年度)
(対全取引先比率)
実績
直接納入する(一次)サプライヤー 5,960 351 370 80%(金額ベース)
5.9%(社数ベース)
目標:80%(金額ベース)
目標:6%(社数ベース)
351社
グラフ:集計
ランク 総得点に対するスコア 取り組み状況
A 80%以上 大変良好
B 60%以上 良好
C 40%以上 やや不十分
D 20%以下 不十分

総得点のスコアが20%以下の取り組み状況が「不十分」の場合、20%以上となるまで、実地監査を行い、改善を求め、その結果を確認しています。スコアが20%~60%の取り組み状況が「やや不十分」の場合は、60%以上となるよう結果のフィードバックを行い、改善を促しています。
調査に対して回答し、指摘点や是正の要求に対応できたサプライヤーは、能力開発プログラムがあると判断しています。

リスクの明確化

人権・労働、環境、安全衛生、公正取引・倫理、品質・安全性、事業継続計画(BCP)、情報セキュリティなどの各項目に対して調査した結果、取り組みが不足していると判定したお取引先様はリスクが高いと判断しています。
リスクが高いと判断したお取引先様に対しては、調査結果をフィードバックし、ガイドラインを用いて要求内容を説明するなど改善を依頼しています。

サプライヤーのタイプ 全サプライヤー数 重要なサプライヤー数 ハイリスクと判定した
サプライヤー数
ハイリスクと判定した
サプライヤーの比率
直接納入する(一次)サプライヤー 5,960 351 2 0.57%

京セラが重要項目として選定している

  • 調査の人権・労働の項目に関するハイリスクの取引先率
  • 調査の倫理の項目に関するハイリスクの取引先率

については、いずれも取引先率はゼロであることを確認しています。

継続的なリスクの低減への取り組み

全てのお取引先様のリスクの解消を目標に改善を依頼した結果、対象となったお取引先様からは、改善が期待できる回答をいただいています。2023年度も同じ目標を維持して、同様の調査を行う予定です。但し、対象となるお取引先様は、毎年リストを見直すとともに、判断基準の適用平準化を図ります。

評価を向上させたサプライヤー比率

測定単位 比率
ハイリスクと判定したサプライヤーのうち、是正措置計画を定めたサプライヤーの比率 100%
是正措置計画を定めたサプライヤーのうち、12か月以内に評価を向上させたサプライヤーの比率 100%

地域別サプライチェーン購入金額比率

京セラグループは、グローバルに調達活動を行っており、地域別に京セラが年間で購入した原材料の金額比率を算出しています。2022年は、「人権デュー・ディリジェンス」の取り組みの一環として、国際機関の人権リスクに関する資料を参照し、国家・地域別のリスク分析を行いました。この結果を活用し、地政学リスクを考慮に入れたうえで各地域のサプライヤーと連携しながら、今後も京セラグループ全体の調達活動の向上に取り組んでいます。

図:サプライチェーン

サプライチェーンBCP調査

京セラグループでは、災害などにより製品・サービスの供給が中断した場合でも、速やかな復旧と操業再開を目指すことを方針に掲げ、お取引先様へ事業継続計画(BCP)の取り組み状況について調査を実施するとともに、BCP活動の推進を要請しています。
新たに重要な原材料や部材を供給いただくこととなるお取引先様には、BCPの重要性を説明し、対策の強化をお願いしています。また、前年度の調査で取り組みが不十分であったお取引先様については、改善状況を確認しています。
今後も、お取引先様に取り組みを推進いただけるよう、BCPの普及・浸透に努めていきます。

責任ある鉱物調達への取り組み

京セラグループでは、コンゴ民主共和国およびその隣接国で採掘される鉱物資源が人権侵害を引き起こしている武装勢力の資金源となっていることから制定された米国金融規制改革法(ドット・フランク法)や、EU紛争鉱物規則などの法規に対応しています。
また、OECDは全ての企業に対して「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンスガイダンス」(OECDガイダンス)に基づいた「責任ある鉱物調達」を求めています。京セラグループでは同ガイダンスに基づく「責任ある鉱物調達方針」を定め、金・錫・タンタル・タングステン・コバルト・天然マイカをはじめとする鉱物に、紛争や人権侵害などのリスクが存在するかどうかサプライチェーンを調査し、リスク評価、是正措置を行うなど、リスクの軽減やサプライチェーンの透明化に取り組んでいます。

京セラグループの責任ある鉱物調達方針

京セラグループは、金・錫・タンタル・タングステン・コバルト・天然マイカをはじめとする鉱物について「武装集団の資金源となる紛争鉱物、その他の人権侵害などのリスクを持つ金属を使用した材料、製品などを購入しない」とする方針を掲げています。(2022年6月改訂)
例えば、京セラのセラミックパッケージや電子部品では、回路形成や接続端子には金メッキを使用しており、ハンダにはスズが必要です。また、コンデンサには蓄電能力を高めるためにタンタルが使用され、切削工具の硬度強化にタングステンを使用しています。
このように京セラの製品は多くの鉱物を原材料として必要としています。責任ある調達に関する要求事項は、法律に留まらず、企業のサステナビリティ活動や世界の持続可能性に貢献する重要な要素と考えています。

責任ある鉱物調達への対応体制

京セラグループは責任ある鉱物調達を行うため、「京セラグループ紛争鉱物対応規程」を制定しています。リスクのない鉱物調達をしているかどうかの調査は制度に則って実施し、状況と結果に対してデュー・ディリジェンスを行っています。活動内容と開示情報についてはサステナビリティ委員会を通じて経営トップへ報告しています。また、グループ各社に対して紛争鉱物に関する規則や方針を啓発し、グループ全体が紛争鉱物に関して適正な取り組みを行うことを推進しています。さらに、責任ある鉱物調達への対応におけるリスクを早期に認識するため、ステークホルダーとの窓口、調達部門における窓口、内部通報制度を通じて収集された紛争鉱物に関する苦情や通報に対し、迅速に対応する仕組みを構築しています。

OECDデュー・ディリジェンスガイダンスに則った取り組み

京セラグループでは責任ある鉱物調達をするための調査は、OECDデュー・ディリジェンスガイダンスが定める5ステップの枠組みに準拠した体制と手順に従っています。具体的には、RMI※1が推進するRMAP※2に基づき調査実務を行い、同ガイダンスの附属書Ⅱに定められた人権侵害をはじめとするすべてのリスクに対する評価を行っています。また、多種多様な人権侵害をはじめとする広範なESGリスクに備えるため、顧客またはNGOからの要求および、各国の人権規制に対する情報収集に取り組んでいます。コバルト等の人権侵害リスクの高い鉱物への調査対応など、法律のみならずサステナビリティに対する取り組み状況の監視の強化をはかっています。これらの活動をより定量化して報告できるよう、以下のようなKPIを定めて管理しています。

  2020年度 2021年度 2022年度
Conflict-affected and high-risk areas(CAHRAs)との関連を精査し、リスクがないと認証されている原材料の比率(リスクがあると特定された製錬所はありません) 78.70% 69.62% 65.01%

紛争または人権侵害等のリスクが高い地域のことであり、OECDデュー・ディリジェンスガイダンスで定義されている。

京セラグループは、責任ある鉱物調達に関する社外との協力体制として、業界団体との連携・協力を推進しています。具体的には、米国金融規制改革法1502条などに関連する規制へ対応すべく、電子情報技術産業協会(JEITA)の中に設置された「責任ある鉱物調達検討会」の主要メンバーとして発足当初より参画しています。「責任ある鉱物調達検討会」では、調査における課題の把握と対応、調査説明会の実施等で積極的に協力しています。

  • Responsible Mineral Initiative(責任ある鉱物調達イニシアチブ)
  • Responsible Minerals Assurance Process(責任ある鉱物と第三者が認定するプログラム)

お取引先様への取り組み

京セラグループは、責任ある鉱物調達問題に取り組む国際的な組織である「Responsible Minerals Initiative(RMI)」が作成した「紛争鉱物報告テンプレート(CMRT)」を使用し、お取引先様に対して調査を実施しています。2018年度の調査より、OECDガイダンスの附属書IIに定められた6つのリスクを重視したデュー・ディリジェンスを行っています。その結果、課題が残るお取引先様には、「リスクある製錬所報告書」を送付することで注意喚起を行い、製錬所がコンフォーマント認定を取得できるようにサプライチェーンへの働きかけを行っています。Conflict Freeとなるまで、継続的な活動を要請しています。

画像:お取引先様向け説明会
お取引先様向け説明会

お取引先様より提供いただいたCMRTに記載の製錬所/精製所と、RMIで開示されているリストとの照合を行いました。

  タンタル スズ タングステン 合計
精製所および製錬所総数 175 35 83 50 343
コンフォーマント※3認証を受けた
精製所および製錬所数
95 33 60 35 223
コンフォーマント認証未取得の
製錬所数(取得中を含む)
80 2 23 15 120

※3 紛争に関与していない、また、人権侵害などの問題がないと第三者により認定された製錬所

京セラグループ各社の担当者を対象に、米国、中国、ベトナム、タイの各拠点でデュー・ディリジェンスの研修会を開催し、内部管理体制の強化をはかっています。さらに、お取引先様が調査に対して持たれている課題や疑問に応えるための相談会の開催や、お客様からの要請が増えつつある新たな鉱物調達に関する調査を行っています。
また、コバルトに関しては2019年度から毎年調査をしています。2022年度からは、新たにRMIが発行したEMRT(Extended Material Reporting Template)を用いて調査をすることで、さらに対象鉱物と対象取引先を拡大しています。EMRT、CMRT調査は、ほぼすべての取引先から回答を得ることができ、サプライチェーンにおける理解と関心の高さを示す結果となりました。その一方で、RMAPによって認証されたコンフォーマント製錬所の比率は、3TG(タンタル、錫、タングステン、金)においてもこの数年低下傾向にあり、歯止めがかからない状況にあります。原因がRMIの監査の進捗遅れにあると予想されるため、お取引先にも製錬所リストの見直しをお願いするとともに、JEITAの責任ある鉱物調達検討会の活動を通じて、監査を受審するよう製錬所に働きかけを行ってまいります。

お取引先様へのEMRT調査結果(2022年度)

鉱物 登録施設 コンフォーマント認証 未認証 コンフォーマント率
コバルト 71 35 36 49.30%
天然マイカ 16 0 16 0

サプライチェーンにおけるCSRの推進

京セラグループでは、人権・労働、環境保護などの社会的責任を果たしていくため、お取引先様と一体となりCSR活動の推進に取り組んでいます。
また、サプライチェーンのCSR活動の強化を目的に、JEITAのCSR委員会に参加しています。また、関連するお取引先様や京セラの従業員等のステークホルダーの皆様には、JEITAが実施する各種の説明会への参加を奨励し、ESGトレーニングの機会として活用していただいています。このような機会による効果は、毎回の「CSR調査」や「責任ある鉱物調達調査」によって改めて実態を調査・評価することで、定量的に検証しています。

サプライチェーンの透明性の担保と報告

京セラでは、誠実かつ公平に調査、評価を実施し、お取引先様と真摯に取り組んだ結果を報告しています。さらに取り組みについて定量的な報告ができるよう、以下の3項目についてKPIを定め、毎年の調査結果に基づきその推移を追跡するとともに、より効果的な是正措置を行うことができるよう、改善していきます。

サプライチェーンに関するKPIを定めて、公表している項目の名称 サプライチェーンに関してKPIを定めて、公表している目標数値と達成すべき年度 2020年度
実績
2021年度
実績
2022年度
実績
紛争鉱物調査における製錬所のコンフォーマント率 目標数値:80%
達成目標年度:2021年度
78.70% 69.62% 65.01%
CSR調査の人権労働の設問群に関するハイリスクの取引先率 目標数値:0%
達成目標年度:2021年度
0% 0% 0%
CSR調査の倫理の設問群に関するハイリスクの取引先率 目標数値:0%
達成目標年度:2021年度
0% 0% 0%

京セラサプライチェーン人権デュー・ディリジェンスの取り組みについて

京セラグループは、京セラグループ人権方針(2020年11月2日公表)において、人権デュー・ディリジェンスを実施しています。京セラグループ人権方針を順守するため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った「サプライチェーンに対する人権デュー・ディリジェンスの枠組み」を構築し、運用を開始しました。具体的には、以下の手順に従い、実施しています。

調査プロセス及び分析結果

京セラの国内サプライヤー413社に対して調査を実施し、回答率は81%(335社)でした。回答があったサプライヤーのうち、外国人労働者を雇用している国内サプライヤーは59%(197社)でした。
国内サプライヤーには資材サプライヤーとその他サプライヤーに加えて協力会社があり、ともに半数以上のサプライヤーで外国人労働者を雇用しており、その内の2割のサプライヤーで技能実習生を雇用していることが分かりました。この業界に属するサプライヤーには、人権に関する様々な侵害リスクが高い傾向があると考えています。
特に京セラの協力会社である57社については、外国人技能実習生の雇用比率が高いため、担当者が個別に訪問して人権デュー・ディリジェンスへの取り組みへの理解を求め、ヒヤリングを実施し、継続的な取り組みと協力を要請しています。

京セラの国内サプライヤーで外国人労働者を雇用している197社の回答内容からは顕在化した人権課題は検知されませんでした。
一方で、潜在的な人権課題および固有のリスクを特定しました。潜在的な人権課題については、顕在化の可能性についての調査および必要な対応策を今後実施していきます。
潜在的な人権課題の主なもののうち、在留資格に関わらない「共通の課題」は以下の通りです。

共通の課題

  • 雇用に関する文書や安全衛生上の教育資料の言語が「日本語のみ」となっている
  • 雇用に関する文書に強制労働の禁止(退職の自由を妨げない等)が明文化されていない
  • 採用面接で差別が生じる可能性がある
  • 不当な控除(保護具の自己負担)の可能性がある
  • 長時間労働、連続勤務日数の超過
  • 避難訓練や安全教育の未実施
  • 相談・通報窓口の未設置、また、日本語のみの対応となっている

在留資格別課題

(1)「技能実習生」を雇用するサプライヤーの課題

  • 「送出し機関」の募集要項や「送出し機関と監理団体」、「監理団体と自社」の契約内容を把握していない
  • 「監理団体」または「外国人技能実習機構」による訪問監査や実地検査の未受審
  • 訪問監査や実地検査での指摘あり

(2)「技人国等」の資格を保有する外国人労働者を雇用するサプライヤーの課題

  • 18歳未満の若年労働者の雇用あり
  • 社会保険の未加入(法令違反に該当するかは未確認)
  • 在留資格と就労状況の不整合の可能性あり
  • 在留資格の認定分野を把握していないと回答

顕在化した人権課題は検知されなかったものの、潜在的な人権課題については、継続的なヒヤリングや面談を通じて、お取引先様とともにリスクの特定と対応方法を協議していきます。

京セラグループの今後の取り組み

京セラグループでは今後も調査を継続し、サプライチェーンに向けた啓発活動を通じて、この取り組みへの理解と協力を求めていきます。お取引先様とは、製錬所が紛争に関与したと判明した時点で速やかに当社へ連絡いただくなど、継続して強固なサプライチェーンの構築に尽力していきます。また新たに、サプライチェーンにおける「人権デュー・ディリジェンス」の取組みを開始し、深掘りすることで、今まで以上にお取引先様における人権に対する意識の向上を図っていただくために、リスクの調査と改善への働きかけを進めてまいります。