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サプライチェーン管理

京セラグループは、お取引先様との公正、透明な取引を遂行するために、購買活動における基本方針を定めるとともに、お取引先様と一体となって、公正な事業活動の実現に努めています。

購買活動に関する方針と体制

京セラグループは、サプライチェーンにおける公正な事業活動の実現に取り組むことで、経営理念である「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」の実現を目指しています。京セラグループは、開発、生産、販売、サービスなど、一連の事業プロセスに関わるすべての企業が協力して社会の要請に応えてこそ、サプライチェーン全体の相互繁栄が実現できると考えています。その実現のために、京セラグループではお取引先様と積極的なコミュニケーションをはかり、相互信頼にもとづくパートナーシップの構築に注力しています。

購買基本方針

京セラグループでは、購買業務を通して、価値創造、事業発展に貢献し、お取引先様との共生をはかることにより、人格を磨き、社会の信頼を得ることを目指しています。購買活動を行うにあたってはこの考え方をベースとして「購買基本方針」を定め、会社概況やCSRに関する各種調査により、お取引先様の公正な評価・選定を行っています。

購買基本方針

  • 京セラグループの基本的な考え方をご理解いただけること。
  • 経営者ご自身の考え方や経営理念が、納得できるものであること。
  • 経営力、技術力、製造力の向上をめざし、規模、財務面において適切で安定した経営状況であること。
    (例:VA※1/VE※2提案能力)
  • 品質、価格、納期、サービス対応力など総合的に優れていること。
    (例:ISO 9000シリーズもしくはそれに準じる品質管理システム、リードタイム削減活動)
  • 地球環境保全活動に積極的であること。
    (例:ISO 14001の取得)
  • VA:Value Analysis(価値分析)
  • VE:Value Engineering(価値工学)

サプライチェーンにおけるCSRの推進

京セラサプライチェーンCSR調査の実施

京セラグループでは、人権・労働、環境保護などの社会的責任を果たしていくため、お取引先様と一体となりCSR活動の推進に取り組んでいます。
京セラでは、紛争鉱物、災害発生時の速やかな事業復旧・継続に関するBCP策定など、サプライチェーン全体で取り組まなければならないCSR課題に適切に対応するため、「京セラサプライチェーンCSR調達ガイドライン」を定め、本ガイドラインに基づき、お取引先様のCSR活動に関する取り組み状況の調査を行っています。人権・労働、環境、安全衛生、公正取引・倫理、品質・安全性、事業継続計画(BCP)、情報セキュリティなどの各項目に関する調査を、毎年、海外のお取引先様含め実施しています。

画像:京セラサプライチェーンCSR調達ガイドライン
京セラサプライチェーン
CSR調達ガイドライン

重要サプライヤーの特定

京セラグループでは、サプライヤー懇親会にご出席いただいたお取引先様をはじめ、当社にとって重要な原材料を供給いただいているお取引先様や、取引額の大きなお取引先様、代替不可能なお取引先様を中心にして、前年度の購入金額の80%を目安に重要なサプライヤーとして特定し、京セラサプライチェーンCSR調査への回答をお願いしています。

サプライヤーセミナー・懇親会の開催

京セラグループでは、お取引先様に京セラグループの経営方針、事業方針などをご理解いただき、さらなるご協力をお願いするため、お取引先様をお招きしたサプライヤーセミナーならびに懇親会を定期的に開催しています。2019年度は2月に開催し、238社、296名の出席でした。また、1年間の取引において品質・価格・納期などで特に優れたお取引先様を表彰させていただきました。2020年度は新型コロナ対策のため、開催しておりません。

画像:サプライヤー懇親会
サプライヤー懇親会

CSR評価プロセス

この調査は、「京セラサプライチェーンCSR調達ガイドライン」の要求項目に対して、「京セラサプライチェーン調査票」を送付し、ご回答いただくことで、その遵守状況を確認するものです。2021年度においても調査を実施する予定です。

調査対象

前年度の購入金額の上位80%を占めるお取引先様を重要なサプライヤーとして調査対象としています。

評価項目・評価基準・評価結果

CSR調査は、人権・労働、環境、安全衛生、公正取引・倫理、品質・安全性、事業継続計画(BCP)、情報セキュリティのカテゴリーを含み、評価結果は以下の通りです。

グラフ:集計
ランク 評価基準
カテゴリ毎のスコア 総合スコア(100点満点)
A 全カテゴリーで60%以上 90点以上
B 80点以上90点未満
C 70点以上80点未満
D 60点以上70点未満
E 60%未満のカテゴリーが1つ以上あり 60点以上
F 60点未満

京セラが重要項目として選定している

  • CSR調査の人権労働の設問に関するハイリスクの取引先率
  • CSR調査の倫理の設問に関するハイリスクの取引先率

については、いずれもゼロであることを確認しました。

E、Fランクの評価となったお取引先様に対しては是正を依頼し、全てのお取引先様から了承を得ております。
今後はこれら企業に対して、京セラのCSR調達への理解を求めて実行していただくよう、啓発活動を進めてまいります。

サプライヤーの
タイプ
全サプライヤー数 重要なサプライヤー数 過去3年間に評価した
重要なサプライヤー数
過去3年間に評価した
サプライヤーの比率
目標(2020年度)
(対全取引先比率)
実績
直接納入する(一次)サプライヤー 6,700 380 380 80%(金額ベース)
5.7%(社数ベース)
目標:80%(金額ベース)
目標:6%(社数ベース)
414社

サステナビリティハイリスクの明確化

人権・労働、環境、安全衛生、公正取引・倫理、品質・安全性、事業継続計画(BCP)、情報セキュリティなどの各カテゴリーに対して、取り組みが不足していると判定したお取引先様はリスクが高いと判断します。
リスクが高いと判断したお取引先様に対しては、調査結果をフィードバックし、誤解があったなど、課題を把握できた場合には、改めて説明を実施し、改善を依頼します。

サプライヤーのタイプ 全サプライヤー数 ハイリスクと判定した
サプライヤー数
ハイリスクと判定した
サプライヤーの比率
直接納入する(一次)サプライヤー 6,700 100 1.5%

継続的なリスクの低減への協力依頼

全てのお取引先様のリスクの解消を目標に改善を依頼した結果、対象となった全てのお取引先様からは、改善が期待できる回答をいただいています。2021年度も同じ目標を維持して、同様の調査を行う予定です。但し、対象となるお取引先様は、毎年リストを見直すと共に、判断基準の適用平準化をはかります。

評価を向上させたサプライヤー

測定単位 比率
ハイリスクと判定したサプライヤーのうち、是正措置計画を定めたサプライヤーの比率 100%
是正措置計画を定めたサプライヤーのうち、12か月以内にESGに関する項目の評価を向上させた
サプライヤーの比率
25% (対話継続中)

ESG側面からのCSR評価について

京セラグループのESG重要指標

近年ではCSRの取り組みをE(環境)S(社会)G(企業統治)の側面から評価する動きが一般的になってきています。当社もその観点でいただいた回答内容を精査し、改善が進んでいないと判断した場合は、訪問して対策を協議するなど、対話を継続してまいります。お取引先様とは様々なコミュニケーション手法を用いて対話していますが、十分な理解を得られなかったり、明確な改善の意志が見られなかったりする場合は、年1回、訪問による監査を実施しています。昨年は、新型コロナの影響により、訪問を中止しています。

なお当社が特に重視しているESG項目は以下の通りです。

①労働 ②健康と安全 ③環境 ④倫理 ⑤紛争鉱物

特に下記の二つの項目においては、重大な違反があれば取引を停止しております。

サプライチェーンの透明性の担保と報告

この記載項目で開示される情報は、誠実かつ公平に調査並びに評価を実行し、お取引先様と真摯に取り組んだ結果を偽りなく報告するものです。さらに取り組みについて定量的な報告ができるよう、以下の3項目についてKPI※1を定め、毎年の調査結果に基づきその推移を追跡すると共に、より効果的な是正措置を行うことができるよう、改善してまいります。

サプライチェーンに関するKPIを定めて、
公表している項目の名称
サプライチェーンに関してKPIを定めて、
公表している目標数値と達成すべき年度
2018年度
実績
2019年度
実績
2020年度
実績
紛争鉱物調査における製錬所のコンフォーマント※2 目標数値:80%
達成目標年度:2020年度
70.4% 81.3% 78.7%
CSR調査の人権労働の設問群に関するハイリスクの取引先率 目標数値:0%
達成目標年度:2020年度
0% 0% 0%
CSR調査の倫理の設問群に関するハイリスクの取引先率 目標数値:0%
達成目標年度:2020年度
0% 0% 0%
  • Key Performance Indicator:重要業績指標
  • 紛争に関与していない/人権侵害などの問題がないと第三者により認定された製錬所

サプライチェーンBCP調査

京セラグループでは、災害などにより製品・サービスの供給が中断した場合でも、速やかな復旧と操業再開を目指すことを方針に掲げ、お取引先様へ事業継続計画(BCP)の取り組み状況について調査を実施するとともに、BCP活動の推進を要請しています。
新たに重要な原材料や部材を供給いただくこととなるお取引先様には、BCPの重要性を説明し、対策の強化をお願いしています。また、前年度の調査で取り組みが不十分であったお取引先様については、改善状況を確認しています。
今後も、お取引先様に取り組みを推進いただけるよう、BCPの普及・浸透に努めていきます。

責任ある鉱物調達への取り組み

コンゴ民主共和国及びその隣接国で採掘される鉱物資源が人権侵害等を引き起こしている武装勢力の資金源となっていることが懸念されることから、2010年7月に米国金融規制改革法(ドッド・フランク法)が制定されました。この法律では、対象国で産出されるタンタル、スズ、金、タングステンの鉱物または、それらの派生物を産地によらず「紛争鉱物」と定め、製品への使用状況などについて開示することが求められました。

また2017年に公布されたEU紛争鉱物規則(REGULATION (EU) 2017/821 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 17 May 2017)は、2021年1月に施行され、EU域内に対象物を輸入する企業が規制対象となるため、京セラグループも対応を予定しています。

更にそれら法律だけでなく、全ての企業に対しOECDが発行した「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンスガイダンス」(OECDガイダンス)に基づいた「責任ある鉱物調達」が求められています。

当社グループは同ガイダンスに基づく「責任ある鉱物調達方針」を定め、新たにコバルトを加えた鉱物に、紛争や人権侵害などのリスクが存在するかどうかサプライチェーンを調査し、リスク評価、是正措置を行うなど、リスクの軽減やサプライチェーンの透明化についての取り組みを進めています。

京セラグループの責任ある鉱物調達方針

京セラのセラミックパッケージや電子部品では、回路形成や接続端子には金メッキを使用しており、ハンダにはスズが必要です。また、コンデンサには蓄電能力を高めるためにタンタルが使用され、切削工具の硬度強化にタングステンを使用しています。京セラグループは、これらの物質について「武装集団の資金源となる紛争鉱物、その他の人権侵害などのリスクを持つ金属を使用した材料、製品などを購入しない」とする方針を掲げています。

責任ある鉱物調達への対応体制

京セラグループは、責任ある鉱物調達を行うため、「京セラグループ紛争鉱物対応規程」を制定し、制度に則った調査を実施し、状況と結果に対してデュー・ディリジェンスを行っています。そして、その活動内容と開示情報についてCSR委員会を通じて経営トップへ報告しています。また、グループ各社に対して紛争鉱物に関する規則や方針を啓発し、グループ全体が紛争鉱物に関して適正な取り組みを行うことを推進しています。さらに、責任ある鉱物調達への対応におけるリスクを早期に認識するため、ステークホルダーとの窓口、調達部門における窓口、内部通報制度を通じて収集された紛争鉱物に関する苦情や通報に対し、迅速に対応する仕組みを構築しています。

OECDデュー・ディリジェンスガイダンスに則った取り組み

特に昨今は、RMI※1が推進するRMAP※2の監査基準が変更となり、OECDデュー・ディリジェンスガイダンスの附属書Ⅱに定められた人権侵害等のリスクに対する評価がより厳密に求められるようになってきたため、製錬所の監査更新時に遅滞なく適合状態が維持されているかを確認するなど、デュー・ディリジェンスの精度向上をはかっています。なおOECDデュー・ディリジェンスガイダンスでは、紛争または人権侵害等のリスクが高い地域をConflict-affected and high-risk areas(CAHRAs)と定義しています。また、多種多様な人権侵害リスクに備えるよう、顧客からのNGO及び、EUはじめ各国の人権に関する規制に対する情報収集能力の強化と、コバルト等の人権侵害リスクの高い鉱物への調査対応など、法律のみならず、サステナビリティ監視の強化をはかっています。それらの活動をより定量化して報告できるよう、以下のようなKPIを定めて管理しています。

  • Responsible Mineral Initiative(責任ある鉱物調達イニシアチブ)
  • Responsible Minerals Assurance Process(責任ある鉱物と第三者が認定するプログラム)
  2018年度 2019年度 2020年度
Conflict-affected and high-risk areas(CAHRAs)との関連を精査し、リスクがないと認証されている原材料の比率。(リスクがあると特定された製錬所はありません) 70.4% 81.3% 78.7%

京セラは、紛争鉱物に関する社外との協力体制として、業界団体との連携・協力を推進しています。具体的には、米国金融規制改革法1502条などに関連する規制へ対応すべく、電子情報技術産業協会(JEITA)の中に設置された「責任ある鉱物調達検討会」の主要メンバーとして発足当初より参画しています。「責任ある鉱物調達検討会」では、調査における課題の把握と対応、調査説明会の実施等で主導的に協力しています。

お取引先様への取り組みと調査結果

京セラは、紛争鉱物問題に取り組む国際的な組織である「Responsible Minerals Initiative(RMI)」が作成した「紛争鉱物報告テンプレート(CMRT)」を使用し、お取引先様に対して調査を実施しています。2018年度の調査より、OECDガイダンスの附属書IIに従いデュー・ディリジェンスを行いました。その結果、課題のみられるお取引先様には、「リスクある製錬所報告書」を送付し、注意喚起を行いました。

画像:お取引先様向け説明会
お取引先様向け説明会

お取引先様より提供いただいたCMRTに記載の製錬所/精製所と、RMIで開示されているリストとの照合を行い、以下の結果となりました。

  タンタル スズ タングステン 合計
精製所および製錬所総数 150 37 55 44 286
コンフォーマント認証を受けた
精製所および製錬所数
103 36 45 41 225
コンフォーマント認証未取得の
製錬所数(取得中を含む)
47 1 10 3 61

また、お取引先様が調査に対して持たれている課題や疑問に応えるため、相談会を開催しました。一方、グループ各社の担当者を対象に中国でデュー・ディリジェンスの研修会を開催し、内部管理体制の強化をはかりました。さらに、お客様からの要請が増えつつある新たな鉱物調達に関する調査を行いました。

特にコンゴ民主共和国は、コバルトの世界生産量の6割以上を占め、第1位です。 外資による大規模な鉱山と、地元による零細採掘や小規模の鉱山が混在しており、重要な社会・経済的役割を果たす一方で、児童労働などの人権侵害が問題となっています。この状況を鑑みて、コバルトのサプライチェーンを調査し、問題のある原産地からのコバルト使用を排除する動きが高まってきました。そこで京セラグループは2019年より、RMIが定めたコバルト調査票(CRT)を用いたコバルトの製錬所調査を行っています

京セラグループのコバルト調査結果(2020年度)

項目 件数
調査対象取引先 25
RMI適合製錬所 2
RMI不適合製錬所 7
判定不能なデータ 7

コバルトのRMAPは未だ発展途上であり、サプライチェーンにおいても認知が不十分で情報も不足している状況です。京セラグループでは今後も調査を継続し、サプライチェーンに向けた啓発活動を通じて、この取組みへの理解と協力を求めていきます。

京セラグループの今後の取り組み

京セラグループでは、製錬所を特定し精査することが重要であると認識しています。そのため、RBA※1が提唱するRMAPを参考に、さらに幅広く調査を行っていきます。
なお、お取引先様とは、製錬所が紛争に関与したと判明した時点で速やかに当社へ連絡いただくなど、継続して強固なサプライチェーンの構築に尽力していきます。 また、京セラはJEITAの「製錬所支援チーム」の一員として、製錬所に対して直接認証を受けることを促す活動を行っていきます。

  • ※1 Responsible Business Alliance(責任ある企業同盟)