水リスクへの対応

水は地球を循環する貴重な資源です。昨今の気候変動などの影響により、一部の地域で水リスクが高くなってきているため京セラグループでは、水リスク評価を実施しています。2024年度から取水量について単年度削減目標に加え中期削減目標(2024年度~2026年度)を設定しました。より計画的に水資源の有効活用と水資源保護対策の実施に取り組んでいます。
京セラグループでは、貴重な資源である水の取水、排水を管理するとともに、生産拠点での自然状態・自然への圧力などを評価し目標設定の優先度の高い拠点を特定しています。自然状態の評価では、世界資源研究所(WRI)が公表しているAqueduct Water Risk Atlasを用いて水ストレスレベルを把握しています。自然への圧力としては取水量を活用し状況を確認するともに、水単価およびローカルレベルで水ストレスを評価しています。これらの情報を用いて生産拠点ごとに水リスク度合いを定量的に評価しています。2024年度に実施した水リスク評価の結果、水リスクの高い拠点は2拠点あり、その取水量の合計は4,604千m3で、2024年度の取水量の29%を占めています。

2024年度目標 取水量54,000m3の削減対策を実施。
(この目標は、水リスク評価を行った結果、水リスクの高い生産拠点に適用)
2024年度実績 取水量81,600m3の削減対策を実施。
2025年度目標 取水量235,000m3の削減対策を実施。
(この目標は、水リスク評価を行った結果、水リスクの高い生産拠点に適用)
2024年度~2026年度目標
(中期目標)
3か年で取水量561,000m3の削減対策を実施。
(この目標は、水リスク評価を行った結果、水リスクの高い生産拠点に適用)

2025年4月1日時点で設定していた2024年度~2026年度中期目標[830,000m3]を最新の事業環境を踏まえ修正しました。

取水量

グラフ:取水量

取水量削減の取り組み

空調用冷水の再利用による取水量の削減

富山入善工場では、地下水を空調用冷水として使用しています。この冷水は、従来からコンプレッサーの冷却水、冷却塔の補給水などに利用していましたが、生産工程での洗浄水や冷却水へ用途を拡大し再利用することで、取水量を削減しました。

取水削減量

180千m3/年

図:水再利用システム
水再利用システム

工程排水の再利用による取水量の削減

京セラドキュメントテクノロジー(東莞)有限公司では、水リサイクル装置により、洗浄工程の排水を中和し、タンクに貯め、空調機の冷却水として再利用することで、月平均約4,600m³/月の排水の排出量の削減をしています。

取水削減量

55,200m3/年

画像:水リサイクル装置
水リサイクル装置