京セラグループの価値創造モデル
「京セラフィロソフィ」をベースとした経営管理システムである「アメーバ経営」の本質は、時代の流れや市場の変化に機敏に対応し、柔軟に組織を変化させることにあります。不確実性が高まる世の中においても、アメーバのように、環境変化に柔軟に対応し、新たな価値をいつも最先端で創造し続けます。
アメーバ経営による価値創造
京セラグループは社会課題の解決のため、創業以来培ってきた要素技術をアメーバ経営の中で結集し、さらに新しい技術と組み合わせることで、社会への新たな価値の提供、社会課題の解決につなげます。
ドキュメントソリューション
ドキュメントソリューション事業は、M&Aや社内技術の融合によりその領域を拡大してきました。1982年に情報機器メーカーのM&Aによりプリンター事業、2000年に京セラミタ株式会社(現在の京セラドキュメントソリューションズ株式会社)を連結子会社化し複合機事業を獲得しました。プリンター事業は高速印刷技術への対応が、複合機事業はカラー化とデジタル化への対応が課題でしたが、両事業の技術を融合することでそれぞれの課題を克服した製品を生み出しました。その後も保有技術である画像処理技術や用紙搬送技術、キーデバイスの自社開発力を活かし商業用インクジェットプリンターを2019年に開発。さらに、既存の枠を超え、京セラのプリンティングデバイス部門が有するインクジェットヘッド技術と、京セラドキュメントソリューションズが有するインク・機器開発技術を活かして2023年に誕生したのがインクジェット捺染プリンターです。捺染時の水の使用量を限りなくゼロまで削減することで、設置場所の制限がなく、また適地・適量生産を可能にし、物流コストや在庫過多による大量廃棄の課題解決にも貢献します。
5Gミリ波
普及が進む5G通信。その中でもさらなる高速通信を可能にし、より多くの通信トラフィックをカバーする「ミリ波」に注目が集まっています。京セラは、長年の通信事業で培ってきたさまざまな技術を結集し、屈折板/反射板、CPE(顧客構内設備)など、5Gミリ波インフラ関連機器の研究・開発を進めています。より便利で快適な通信環境の実現に向けて取り組みを加速させます。
FIRカメラ
路車協調システムで重要な役割を果たす「FIRカメラ」。物体が発する「熱」を捉えるFIRカメラは、悪天候や夜間などの条件下でも、車や歩行者を映像化できます。京セラは、イスラエルにあるジョイントベンチャーのAdasky社とともに、このFIRカメラの開発を行っています。また、車載用途としても開発を進めています。
車載カメラモジュール
かつて撤退したカメラ事業で培った光学設計技術を活かし、車載用カメラモジュール事業を立ち上げました。映像技術だけでなく、人や車の認識機能などソフトウェアの研究開発も進めています。ADAS市場で多くの需要が見込まれる期待事業へと成長し、さらなる安全社会の実現を目指しています。
高効率GaNレーザー
カーボンニュートラルの実現に有力な基幹材料として注目される窒化ガリウム(以下、GaN)。京セラは高効率・高出力レーザーを手掛ける米国Soraa Laser Diode, Incを完全子会社化し、KYOCERA SLD Laser, Inc.(KSLD)として始動させました。さらに、旧AB Elektronik社から得たKYOCERA AVX社の各種車載用モジュール技術と、KSLDの高効率SMDレーザー技術を結び付け、ヘッドライドをはじめとする次世代EV用レーザーモジュールの開発も進めています。GaNレーザーは今後もさまざまな事業分野での新製品開発に役立っていきます。