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RECRUITING 2020

モノを作る。移動する。意思を伝える。
暮らす。私たちのすぐ側に、京セラはいる。

Project Story 01 プラズマCVM技術による世界最小への挑戦 -「超小型水晶振動子」開発プロジェクト-

Overview

電子機器が動作するために、安定した周波数を
発振するタイミングデバイス「水晶振動子」。
スマートフォンやウェアラブル端末などの
小型化・高機能化に伴い、
水晶振動子の小型化は
京セラにとって必達の課題だった。
しかし、従来の加工方法では電気特性の劣化や
周波数のばらつきを避けることはできない。
「プラズマCVM技術」と「独自の半導体プロセス
技術」を切り札に立ちはだかる幾多の壁を乗り越え、
超小型化と高性能化の両立に成功した
プロジェクトの全貌とは。

※さまざまな電子機器に組み込まれる
マイクロコンピュータの基準信号を発振する部品

Project movie

Project member

  • 電子部品(水晶デバイス)所属
    事業部長
    総合科学専攻

    北田

  • 電子部品(水晶デバイス)所属
    開発(プロセス開発)
    物理情報工学専攻

    宮﨑

未来に繋がる、新たな開発思想が
具現化した
世界最小サイズ
超小型水晶振動子 ※2018年11月現在。京セラ調べ。

#01 「その技術」は、小型化成功の
トリガーになり得るか?

「京セラは水晶振動子の小型化に出遅れ、競合の後塵を拝していました」。

そう語る北田は2013年8月、京セラの水晶部品事業の命運を懸けて1210サイズ(1.2×1.0mm)の水晶振動子開発をスタートさせた。

水晶振動子のキーパーツは、人工水晶をスライスしたウエハ(板)をさらに切断し、個片化させた水晶素子。
しかし、従来の機械加工では水晶素子の厚みを均一にすることは不可能で、
それがそのまま周波数のばらつきに直結する課題は解決されないままだった。

厚さ1mmにも満たないウエハの状態で、その厚みや表面の状態を高精度に制御する加工方法がなければ、
目指す小型化・高性能化は実現できない。

開発の口火を切ったのは、当時の役員から北田への1本の電話だった。

「プラズマCVM技術を水晶加工に使えないだろうか」。

プラズマCVM技術はウエハ表面にプラズマを照射し、その凹凸を精密に加工する先端技術。
大阪大学の山村教授と京セラは、水晶とは別の材料を対象に、既に共同研究を行っていた。北田は言う。

「当時研究していた材料も水晶も同系の素材なので、理論上応用できることは分かっていました。ただ、水晶のプラズマへの耐性は全く未知数でしたね」。

人工水晶
人工水晶ウェハ
プラズマCVM
人工水晶ウェハ

#02 割れるウエハ、量産の壁、
膨大なデータ、トライ&エラー

プラズマCVM技術を用いた水晶加工の条件出しを担当した宮﨑は、その長い道のりをこう振り返る。

「厚さ30µm※1のウエハに対して求められる面内の厚みのばらつきは0.03µmという非常に厳しい条件です。
ウエハにプラズマを照射すると、やはり割れや反りなどが頻発したことからパラメータの影響度を確認し、
局所的なエネルギー集中を抑えるなどして生産性を落とさない条件を一つ一つ算出する必要がありました」。

開発スタートから約1年。厚みのばらつきにしてわずか±2nm※2以下のウエハを生産できる目途が立ったものの、
可能な生産量は1日10枚程度。1日500枚を可能とする量産体制の構築という新たな課題が顕在化した。

「プラズマを発生させる電極は、1日数百枚にもおよぶ量産レベルでは劣化が激しく、安定生産が困難になります。
ですから、電極の劣化とウエハの出来栄えの相関を膨大なデータから読み取り、電極自体の交換サイクルを決定していったんです」。

さらに、生産技術部門が加わり、量産設備の構築を後押ししたことで、プロジェクトはそのスピードを加速させていった。

  • ※1 1µm=0.001mm
  • ※2 1nm=0.000001mm

#03 世界最小への確かな道を形づくった
多様な知見と独自技術の応用

もう一つの課題は、高精度な外形寸法の実現。
形状そのものが物性に直接影響する水晶素子の特性を踏まえ、
導き出したのは京セラ独自の半導体プロセス技術を用いたフォトリソグラフィの応用だった。
国内メーカーとして初めて水晶振動子のパターン生成に用いたその技術はブレイクスルーをもたらし、
プロジェクトの推進力となっていった。

試行錯誤の日々を重ねた2015年、宿願だった1210サイズの開発・量産化に成功。
さらに2017年には、水晶設計シミュレーション技術を活用し、
高性能はそのままに世界最少サイズ(1.0×0.8mm)の超小型水晶振動子「CX1008」の量産化を実現し、
国内外から多くの反響を呼ぶこととなった。

また、『プラズマCVM技術を応用した超小型水晶振動子の開発』は、
社会の進歩発展に貢献する技術を創出した企業と大学に贈られる「井上春成賞」に輝くなど、
最終的にのべ50名にもおよぶメンバーが携わったプロジェクトは結実した。

今後、第5世代移動通信システム(5G)や先進運転支援システム(ADAS)への活用が期待される
京セラの超小型水晶振動子への注目度は高まり続けている。

#04 事業を超えた技術と人材のスパークで、
IoTの未来を創造する決意

「世界最小サイズの実現はもちろんうれしいですが、不良品率の改善などまだまだ課題は多いですね」。

現状を冷静に見つめる宮﨑は、プロジェクトをきっかけに新たな目標を見つけたという。

「技術の水平展開を促進する旗振り役になりたいんです。
事業や部署の枠にとらわれず、社内に点在する技術を応用することで、
世の中に新たな価値を提供できることや、京セラが秘めるポテンシャルを実感できましたから」。

一方、北田も描く未来をこう語る。

「私が目指すのは、タイミングデバイスといえば京セラという世界をつくり上げること。
根底にあるのは、誰も実現できないような技術や製品を世の中に送り出したいという開発者としての強い思いです」。

「今回のプロジェクトでは産学連携はもちろん、
多様なメンバー同士が事業や部署を横断して相互作用することで、大きな成果を得ることができました。
それは、今後の開発においてあるべき姿を示しているはずですし、
たゆみないチャレンジを続ける京セラだからこそ実現できるものだと確信しています」。

進化し続ける京セラの開発思想とその体制が、タイミングデバイスそしてIoT社会の未来を力強く牽引していく。

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